大学生の学習時間

日本の大学生は他の国の学生と比較して、学習時間が少ないという。文部科学省の審議組織である中教審の審議資料を見てみよう。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/siryo/attach/__icsFiles/afieldfile/2012/07/27/1323908_2.pdf

 

アメリカの学生と比較して、あまり学習しない実態がデータとしてあげられている。もちろん、日本の大学だって、確実に学習する学生はいるし、自分で英語の勉強をこつこつと重ねている学生が私のクラスの中にいることもわかっている

 一方で、確かに実感として予習復習をしない学生はいる。したがって、授業の理解度もあがらない。高い学費を払っているのだから、大学が何とかしろという親の声が聞こえそうだ。確かに大学も学生を学習させる工夫が必要だ。シラバスに授業外の学習について具体的に記入するような動きもある。一教員として、切実に感じている。

 しかし、大学生になったから、いきなり授業に備えて学習せよと行動は変わらない。小学校、中学校、高校では、塾がその補完をなしているが、その塾も「授業に出る」が基本だろう。授業以外に自分で本を読み、問題を探るとか、知識を補完するという作業は子供の頃からプログラムしていかなければ、不可能だと思う。「受験」という短気目的の時にだけ、自習という行動が働くようではどうなのだろう。

 オーストラリアの小学校に娘が1年通っていたが、驚いたのは、宿題の多さだった。小学校1年だというのに、毎日readingの宿題が出ていた。宿題をやったかどうかも親がチェックして、サインをした記憶がある。このように「授業」以外の学習が大切だという仕組みを文化的に組み込んだところなら、「授業」と「自主学習」の価値観のバランスがとれているのだと思う。

 教育が百年の計だと言われるのは、このように長期的なビジョンと仕組みを考えなければ、人間の行動を変えることができないからなのではないだろうか。教員として、親として、大人として、考えなければならない。