夏の名残

 昨日は久しぶりの庭の草むしりをした。我が家は決して大きな家ではないけれど、庭の草むしりをするときだけは無限に広く感じる(笑)。夏ほど雑草まみれではないけれど、それでも、根の張った草たちは手強い。特に、ドクダミの根の深さは、「人間もこれくらいの根性がないとだめかな」と思わせるほどに強靱だ。目に見えない地下で力強く、太く、広がりをもって根を生やすドクダミに行き方を学ぶ気がする。
 草の影に隠れたバッタを見かけ、我が家に生きる仲間たちを実感して、小さな蟻を含めて、この土地にはどれほどの命と共存しているのだろうかと、ふと考えていたところ、蝉の亡骸を見つけた。蝉の声を忘れてしばらく立つのに、まだ形が整った亡骸をみつけて、思わず庭の片隅の土を掘り返し、亡骸をその中に入れて、土をかけて、「土ももどってください」と心でつぶやいた。既に忘却のかなたにある夏の名残だ。

 我が家の庭にはよく蝉の抜け殻が見つかる。きっと、この土の下の別の場所に次の夏、あるいは数年先の夏に備えて眠っている蝉の命があるのだろう。そういう命を思うと、除草剤などをつかうことができない。自分の手で雑草をとることがこの土地を守ることなんだと思う。

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