政務活動費と研究費

 昨日も書いた政務活動費。これは政治家が活動する上で必要な経費となっている。素人から考えると、様々な資料を集めるための経費、人と会って情報を集める経費、視察などの経費になるのだろうと考える。例えば、ベビー用品の安全性を追求したいがためにベビー用品を買い集めて、比較検討、分析するという目的で、安全性の基準を定める法案作りの一環にするというのなら、某政治家の活動費の使い方も理解できるが、どうもそうとは考えられない。

 さて、我々大学教員にも研究費というものが支給される。これは大学からであるが、大学は文部科学省から、補助金をもらい、その中から研究費が支出されているので、言ってみれば、我々も税金の中から活動費をいただいているという点では政治家と一緒である。研究費というとどのように使うのか?もっとも典型的には図書費である。書籍は専門書が中心になるが、専門書以外にも一般書、新書などを購入する。例えば、私の専門は言語学であるから、言語関係として、洋書、和書はもちろん、広く社会、思想、哲学、自然科学の分野まで広がる。おおよそ言語を使って何かをすることは研究資料にもなれば、考え方の土台をつくってくれる基礎になる。ただし難しいこともある。例えば、自分の妻が妊娠中の時に「赤ちゃんの名前の付け方」のようなものは不適切な使用になるので、認めてはもらえないが、日本人の名前の付け方の社会的な動向を調べたければ、年代を経て、名前の付け方を買うのであれば、研究資料となろう。

 その他にも大切なのが学会の年会費、参加費、学会の参加にともなう出張費がある。どこかの政治家は毎日出張をしていたと申告していたようだが、実際の出張には経費がかかるので、それほど多くはできない。例えば海外で学会発表を行う場合などは、それだけで研究費のおおよそが費やされてしまう。しかもビジネスクラスなどには乗れず、エコノミーときまっているのである。

 研究資料を保存したり、処理したりするためには情報機器も必要なものなので、パソコンや周辺機器なども研究費の対象であり、当然、文具もその対象となる。経費はすべて見積書、納品書、領収書が必要となり、不適切な購入と判断されると経理課より、認められないとお達しがあり、自腹での出費となる。これもすべて、税金が投入されているからで、監査の対象となるからである。

 そう考えると、やはり政務活動の使い方はずさんである。ネギも買えれば、金券だって買えてしまう。もちろん、秘密の情報を取得して、対抗する正当の不正を暴き出したいので、情報提供者にお礼の品を渡すということもあり得るのだろうが、はたして、そのように本当に「適切に」活動費をつかっているのだろうか。彼らのお金の使い方は会計検査院だけではなくて、国民も監視しているということを、改めて認識してもらいたいと思うし、同時に、同じことが我々にも当てはまると自戒の念を持つのである。