母の命日

  今日は母の命日である。22年前に52年の生涯を閉じた。病院のベッドで私の手を握りながら、旅立っていった母はまだ義妹のお腹にいた初孫に会うこともできなかった。
  母が危篤だと連絡を受けたのが23日の10時過ぎだっただろうか。当時甲府に住んでいたが、すでに列車もなく、深夜2時の列車で都内に行き、そこから船橋の実家に向かうしかなかった。翌日の授業を休講にしなければならず、先輩の助教授に連絡を入れて、事情を説明したところ、車で都内に送ってくれるという。ここは遠慮する場合ではないので、ご厚意に甘えさせていただいた。中央高速を走り、明大前まで送っていただいた。そこからすべての終電に間に合い、母の最後に立ち会うことができた。もし、あの時、深夜の列車に乗っていたら、間に合わなかった。
  送っていただいた先輩の先生とは今でも交流がある。一生感謝しても仕切れないご恩を感じている。あの時生まれたばかりの先生のお嬢さんは立派な大学生になっている。義妹のお腹にいた姪は今看護師を目指して、大学にいる。私はといえば、来年母が他界した年齢と同じになる。ふと、母の年齢を超えられるだろうかと、思ってしまうのである。
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