なんとなく、クリスタル

 『33年後のなんとなく、クリスタル』という本を購入したが、元の『なんとなく、クリスタル』の内容を忘れてしまった。もちろん、註の多さとか、あまたおびただしいほどのブランド、そしてスプーンを使ってスパゲッティを食べるのはイモだという描写があったことだけは覚えている。
  しかし、やっぱりもう一度読みたくなって、アマゾンからKindle用の書籍をダウンロード購入した。さて、読もうと思ったら、なんとこれが、文庫を画像としてPDF化したものだったのだ!フォントの大きさを変えることはできない。驚いたのだが、すぐにその訳が理解できた。この小説の特徴である註の多さだ。これほどに註が多いとテクスト化して、そこにリンクを張る作業をしていたのでは、コストに見合わないはずだ。
  さて、読み進めていくと懐かしいブランドとともに、1980年当時の都会の若者の動向が描写されていて、つい自分のことも思い出してしまった。あの頃は確かに青山、原宿を歩いてちょっと外国気分を味わうのが好きだったっけ。と、思っているうちに、あっという間に読み終えてしまった。
  今読み直すと内容は簡単で、ストーリーは今どきのブログみたいなものだけれど、註描写された田中康夫氏の価値観は一読に値するのではないだろうか。