本館とバカ山

 私のは母校と呼べる大学がふたつある。一つは学部の4年を過ごした神奈川大学、もう一つは大学院で4年を過ごしたICU国際基督教大学だ。真子様に続いて、佳子様もICUに入学ということで、ICUの名前は全国版になっているようだが、昔から英語関連では名が通っていて、英語を専門に勉強したい人たちには最難関校の一つになっている。私の場合は幸運にも大学院から入ることが出来たが、入ってあらゆる文書、告知、掲示が英語と日本語の2言語なのには驚いたものだ。日本人の学部生は入学から、毎日徹底的に英語を鍛え上げられ、留学生は日本語を鍛えられる。だから、例えば、一般の生物が英語で行われている一方で、他の科目が日本語で行われ、その中に、日本人と留学生が混じっているのが普通の光景だった。

 あの頃は授業のほとんどが本館と呼ばれる校舎で行われ、その前には綺麗な芝生が茂っていた。今でも佳子様の撮影は本館とその前の芝生の前で行われていて、懐かしい光景をテレビで見た。本館の前の芝生には小高いところがあり、通称バカ山と呼ばれていた。とても気持ちよいのだが、あまりに気持ちよすぎて、寝ていたり、へろへろとしているとバカになるということでバカ山と呼ばれていた気がする。

 ICUを卒業した人たちはみんな英語が出来ると世間では言われている。確かにそうなのだが、実は、仕事で英語が使えるようになるのは卒業後だと思う。「英語ができるんだよね」という評価があるからそ、それに応えようと努力するのだと思う。もちろん、その努力を結実する基礎は鍛えられているが、大きく羽ばたくのは自信と、期待に応えようとする責任なんじゃないかと思う。バカ山の戒めを心に秘めつつ、努力せねばと気持ちを引き締められる、そんな今日この頃だ。