Subscribed unsubscribe Subscribe Subscribe

ミニマリストとミニマリスト

 昨年、メディアでミニマリストという言葉を見るようになって驚いた。ミニマリストという語は言語学の中ではもう10年以上も使われている言葉だからだ。これは生成文法という言語学の流派の中の考え方で、人間に普遍的に備わっている言語能力の記述をする上で、根幹をなすルールを最小限にして、あとは様々なパラメーター(変数)を設定するという考え方だ。言語学を専門とするものがミニマリストという語を聞けば真っ先にそれを思い出す。

 ところが、昨年からメディアやネットで扱われるミニマリストとは物を最小限として、極端な場合にはリュックに持ち物が全て入るくらいの生活をしている人のようだ。ものが多くなりすぎると煩雑になるし、とらわれることもおおい。確かに、考えてみると持っているものの中で活用するのは2割くらいなんじゃないかと思う。物を少なくするという考え方には賛成で、自分でもこのところ様々な整理を始めている。ちなみに、物ををもたないで生活する話はすでに言語学者の鈴木孝夫先生がもう22年前に記されている。物に翻弄されずに生きる姿勢は今読んでも新鮮だ。
  ところで、物がなくなってすっきりとするのはいいが、反対に、スッキリしすぎると考え方がシンプルになりすぎる気もする。様々な発想というのはむしろいろいろなアイデアや混沌の中から出てくる。不必要なものを無くすのは賛成だが、部屋には何もありませんというほどにスッキリしてしまうのはどうなんだろうか。私は書籍と趣味の模型だけは捨てられそうもない。
 
ちなみに私はシステミストです。