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自分の思いと他人の評価

 いつも授業で学生に言うのだが、「つもり」のあるうちは評価されない。本当にやっている場合は、「まだ」の方が出るはずだ。スポーツでも学問でも一流の評価を周囲がする人に限って「まだ、できていない」とおっしゃる。それは、自分で課題が理解できて、それが次のステップアップへの鍵だと見分けることができるからだろう。私自身、そうありたいとおもいつつ、仕事に励んでいる。

 ところが、人間というのはみんなが一流になれるわけでもない。目標としては一流の人たちに近づくことなのだが、現実には甘えもあるし、ついつい「つもり」と言ってしまう。あるいは「これが限界」と言ってしまう。自分に枠をはめることは一種の甘えなんだろう。その枠の中でやったんだからいいじゃないか、もうこれ以上は無理だよ。たしかに、事柄によってはそれは甘えと受け取られるんだろうけれど、この人間関係の複雑な社会にあっては、ときに、自分に枠をはめることも悪いことではないのかもしれない。その枠をつくって、自分への逃げ道を作ることもときには必要なんじゃないだろうか。

 何もかも真正面から受け止めてしまうと、ときに自分の許容範囲を超えるんじゃないかと思うことが誰にでもあるはずだ。そのときには、「ここまでやったんだから」と自分に1本の逃げ道をつくってあげる。これも生きる知恵かもしれない。