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天才

 キンドルを再び手にして、前から読みたいと思っていた石原慎太郎氏の『天才』を読む。本当はとりあえず購入しておいて、仕事が落ち着いてからじっくりと読もうと思っていたのだが、「ちょっとだけ」と思ったのが悪かった。ついつい読み始めて、2時間くらいであっという間に読んでしまった。

 これはつい田中角栄氏の自伝というか、ノンフィクションのように思ってしまうが、全て1人称で書かれていて、まるで田中氏が舞い戻り、自分で自分を語るように書いてあるが、あくまでも自伝的なフィクションとして読まないといけないと思う。そもそもが石原氏の解釈の上で書かれたことなのであるから。とはいえ、読みふけっているとまるで田中氏が語っているように錯覚してしまうところが、この本の面白さだろう。

 中でも面白いのはロッキード事件はアメリカ陰謀によるものだというところだ。アメリカに対して石油問題で盾をついたことが発端で、アメリカが田中氏を疎ましく思い、失脚させるために仕組んだというのだ。ことの真相はわからないが、一つの説としては面白い。

 田中氏が政治家として、また人心を掴む天才として描かれているが、実は石原氏の一人称での自伝的小説の描き方そのものが、天才的だというのも、きっと書名の意味するところではないだろうか。

 

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