Subscribed unsubscribe Subscribe Subscribe

執筆者と編集者

 2年前から共同である本の翻訳を始めて、ようやく出版社の編集者とやりとりをするようになった。途中からは私が窓口というか、取りまとめ役となって、いろいろと交渉をしたりしてきたが、ようやく出版の目処が立ち、段組やらレイアウトなどが見えてきたところでホッとしている。

 ところが、編集者から、表現や表記の統一がなされていないと指摘があり、急遽原著と見比べながら、総点検を私がすることになった。編集の仕事というのは統一をすることであり、表現形式や表現、書式などを揃えることだ。私も学会誌の編集長をやっているので、編集の仕事の大変さはよくわかる。編集者は原稿の全てに目を通して、この統一作業を行う。今回指摘をうけて、それを一つづつ確認していくのは思っていたよりもつらい。

 この編集作業をしている最中に、原稿のいくつかに手を入れなければならない事態となった。編集の立場からすれば当然なのだが、執筆者の立場に立つといろいろと頭をひねってようやく絞り出した表現や表現形式について手を入れられるのは辛い。一人の執筆者としては本当はやりたくない。その苦労がわかるだけに。とはいえ、少しでもいいものを作るには、どこか非情にならなくてはならないところもあり、今はその葛藤を抱えつつ、原稿のチェックをしている。

 来年には出版される。教育関係の良書で、英語の先生には特に読んでほしいものだし、国語の先生にも大いに役立つ良書だと思う。いささか専門的な概念は入っているが、私ともうひとりの中心となった先生で理論的背景のガイドを別途執筆して掲載しているので、それが参考になるはずだ。出版の暁には、手にとっていただければ幸いである。